猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

静かなるレジスタンス

東日本大震災から4年が経ちました。僕も被災地へ行ったことがあるのですが、人と人とが力を合わせて、着実に復興へ向かっていると思います。この4年間で達成できたことというのは確かに限界があると思います。それでもいつの日か、被災者の皆さんが元気で生活できる日が来ることを願っています。

さて、先日歩道橋を歩いていると、青看板の裏側にこんなステッカーが貼ってありました。

「Tokyoのネオン、Fukushimaの原発

このメッセージを見て、何か胸が締め付けられる思いがしました。

ご存じのとおり、福島の原発事故以降、各地で反原発を訴えるデモが頻発しました。しかし「危ないからただちに停止せよ」というだけで、エネルギー代替案など具体的に止めた後、私たちの生活に生じる制限や未来への展望などまで言及した、建設的なデモは皆無でした。

また事故当時は一斉に各店舗や看板などの灯りが消え、自粛ムードが日本全体を包みました。あれから4年。事故当時に全国を席巻した節電をいまだ実践している人はどれくらいいるのでしょうか? 

極論から言えば、あの大震災と原発事故で一度日本は滅びた、僕はそう思っています。そこから新しい価値観で新しい日本をどう創造していくか、これは日本国民全員に課せられたテーマだと思っています。一つだけ確実に言えることは「今までの生活レベルの維持では何も進展はしない」ということです。

このメッセージに込められた想い。それは、眼下の惨状に対してヒステリックに反発するのではなく、未来の私たちのために、何が必要で何が無駄な物なのか、 今一度自分で考えて日々の生活で実践していこう。そう静かに呼びかけているように聞こえます。