高校卒業後も自身でバンドを組み、ギターのみならずボーカルも務めるようになり、自作の詩曲でライブハウス出演も繰り返すようになりました。ただ正直プレイヤーとしての才能に限界を感じ、25歳あたりでバンドを解散。以降ほとんどギターに触れる機会もなくなりました。
とはいえ、音楽活動で知り合った仲間たちと共有した時間は自分にとって大きな財産となりました。人(ミュージシャン)の数ほど音楽があって、みなそれぞれ好きな音楽、愛聴している音楽があり、自身の中でも音楽の視野が広くなっていくのがわかりました。
翻って、中学時代を思い出すと、特定のメディアがマスで音楽情報を流し、紹介されるがままにそういった類の物産(CD)を消費していた。2000年代に入り多様なジャンルの音源を取り扱うHMVやタワーレコードの登場や、DJブームなどもあり、メディアにより与えられた情報以外で、リスナーそれぞれが貧欲に音楽を探していくような時代が来たことは良い兆候だと思いました。しかしそれでも音楽業界が”売りたい”音楽を消費者が”買わされている”時代がいまだ続いているようにも思います。
一人の中高年のおじさん(前々回のブログ参照)から「エグザイルを聴いているような」と形容される人たちがいることは、元バンドマンとしてなんとも歯がゆく思います。音楽はブームでもありファッションでもあるとは思いますが、やはり本当に素敵な音楽というのは人生を共にしてくれる「友」でもあると思います。一人ひとりが自分のアンテナで、一生かけて愛することができる音楽にめぐり会えたらすばらしい。そう陰ながら思っております。
(おわり)