猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

ボッタクリ2020

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先日聞いた話ですが、茨城に住むある家族が味の素スタジアム(東京都調布市)で行われたサッカーの試合を観戦するため、近隣のホテルを予約しようとしました。試合は夜。試合後調布から茨城に帰るのにもかなりの時間がかかるので、いっそ宿泊して翌日帰った方がよいと判断したのでしょう。

予約を取ろうとしたところ、提示された宿泊費がなんと10万円! さすがに払うのがバカバカしくなり、結局は疲れた体で子どもを抱きかかえて帰路に着いたそうです。

年末年始、GWなどに宿泊施設の料金が一時的に跳ね上がるのは誰もが知るところ。
しかしいくらか割増になるのならまだしも、2~3倍に増えるのはどう考えても足元を
見ているとしか言えません。そもそも休日に上がるコストなんて、従業員の休日手当くらいで済むはず。燃料費の乱高下によってチケット代が変動する飛行機とはわけが違うでしょうし。

 

2020年に東京オリンピックパラリンピックが開催されますが、押し寄せる来日者の数に対して宿泊施設の数が足りなくなると予測されています。在来の宿泊施設だけには頼りきれないこともあり、Air BnB(民泊)の活用を促す声も聞かれていますが、セキュリティ面の問題や、マンション自治会や所有者の強い反対もあり、2020年までにどこまで民泊が普及するのかも不透明です。

恐らく何らかの規制をかけなければ、周辺ホテルの五輪期間中の超絶ボッタクリ価格設定は避けられないでしょう。本来はその代替案となるはずの民泊に対しても、難色を示す人が多くまったく進展が見られない。

決して裕福な国から来る人たちばかりではないでしょうし、かさむ費用のために来日を諦めてもらうのも、ホスト国としてはなんとも忍びない気持ちになります。このまま何も対策を取らないようでは「お・も・て・な・し」は全くの詭弁となってしまうのではないでしょうか??

 

(参考)国際観光ホテル整備法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO279.html

昭和24年にできた法律で、外国人観光客でも安心して宿泊できるよう設備、サービス面などで一定の基準を設けた法令。登録されているホテルは、規定の宿泊費を事前に届け出る(告示する)義務があるため、勝手に価格設定をいじることができない。ただし登録外のホテルはこの範囲でないため好きなように価格を吊り上げることも可能なんだとか。