猿一匹 酔って候

介護の現場で働く人たちのための応援WEBマガジン「Live-up Worker」(リブアップワーカー)編集長大西のブログ。活動記録や日々思ったことなど綴っていきます。

プロのプロによるプロのための…

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今月18日に亡くなられた西室泰三氏。東芝日本郵政東京証券取引所などの社長を歴任した方で、昨日(20日)の日経新聞にも政財界から故人を悼む声が多数寄せられていました。

ところが亡くなった当日、Yahooニュースのコメント欄を見てみると、「相次ぐ経営の失敗で巨額の損失を日本にもたらした張本人」と手厳しいコメントばかりで、故人の功績をねぎらうようなコメントは皆無でした。まあ東芝は今、完全に針のむしろですからね。国民からリスペクトされないのは仕方ないことでしょう。

いわゆる“業界人”からは評価を得ていても、国民にその功績や恩恵が理解されないケースって多々あることだと思います。2020年東京五輪エンブレム問題に揺れたアートディレクターの佐野研二郎氏もその一人でしょう。パクリ疑惑が発覚した途端、集中して非難され続けましたが、選考委員や同業者は徹底して彼をかばい続けました。一般公募で選ばれた別の作品が採用された後も、審査委員長まで「(決まった作品より)佐野作品の方が良かった」と言い出す始末。

もともと大手企業がからむ商業要素の強いイベントなどの制作を請け負うのは、「有名美大→大手広告代理店→独立」の黄金キャリアを進んだ少数のデザイナーやアートディレクターたちで、いざコンペになると彼らの間で牌の譲り合いをしている世界なのです。狭い世界の中でこういったことが慣習となってくると、厳しく新しい視点で物事を評価するよりも、お互いの顔色を見ながら仕事の配分を決めていく方が業界内での“評価”につながるということです。こういった世界なので、事情を知らない国民とプロたちの間で温度差が生まれるのは当然のことでしょう。

さて明日は第48回衆議院選挙の投票日。「選挙の主役は私たち(国民)一人ひとりです!」みたいなコピーが各所から聞こえてきますが、結局国民は直接政治家を選ぶのではなく、住まいのある地域で各政党が擁立した候補者を選ばなくてはいけない仕組みです。どの選挙区でどの候補者を擁立するか、各政党とも思惑はあることでしょう。そして立候補している人たちも、“政治家目線”で優秀であるかもしれませんが、投票する国民にとって、本当に信頼して票を預けてよい人なのかは不透明です。

「プロのプロによるプロのための…」がまかり通った結果、色々なところで業界人と国民との間に大きな溝が生まれています。政治家が何を演説しても聴衆の心に響かないのは、このギャップを埋めようとする意志がないから。限られた人数の中で「はい良くできましたねー」と評価され完結してしまう世界なんて、幼稚園のお遊戯会と変わらんレベルですよ。