猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

8%のままか、10%でいくのか

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ご存知のとおり、今年10月から消費税が8%から10%にアップします。

基本的に大体の商品やサービスは10%課税となるのですが、最低限の生活を保障するために必要な一部の商品については据え置き8%のままとなります。これを「軽減税率」と言い、米、野菜、鮮魚、精肉、飲料水といった食料品や新聞の定期購読費などが該当します。

有料老人ホームの場合、「食費」が軽減税率の適用範囲になる予定ですが、以下の条件があるようです。

①1食の食費が640円以下であること

②1日3食(おやつなどの軽食も含む)の合計額が1920円以下であること

上記2つに該当すれば消費税は8%のままですが、どちらかでも超えてしまうと10%になってしまうようです。

各利用者に対して毎日の食事内容をきちんと把握しておくことは、現場の職員にとって多大な負担になることだと思います。有料老人ホームを運営する大手2社に、どう対応していく予定なのかヒアリングをしたところ、2社とも「まだ検討段階で何も決まっていない」との回答が。

例えばスーパーやコンビニで売られている商品の場合、バーコードで商品を管理しているので、上記で挙げた軽減税率の対象商品とアルコール類などの対象外商品を一緒に買ってもレジを打つ店員が混乱することはないでしょう。でも介護の現場での把握・管理は現実的でない。そもそも国税庁は何をもって金額の設定をしたのか、その根拠もよくわからない。ちなみに学校給食は一律8%のままになるので、老人ホームでも決まった税率設定で行けるはずだと思います。

また、現場の混乱だけでなく、利用者側への説明義務も生じてきます。ヒアリングをしたうちの1社の現場職員からは「2つの税率を併用するのは現実的でない。結局は(8%または10%)どちらかの税率に固定するのでは」と意見が聞かれました。

結構ややこしい話になりそうですが、利用者側からしたら、毎月の支払いに多少なりとも影響が出てくるので、しっかりと事業者側に確認を取ったほうがよさそうです。