猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

東京は誇れる町なのか?

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東京オリンピックパラリンピックまでいよいよ1年を切りました。
インバウンドも相変わらず活気づいており、これからさらに旅行などで来日する人も増えることかと思います。

豊かな自然、歴史的建造物、温泉においしい和食など魅力が盛りだくさんな日本ですが、首都東京はどうでしょうか?  狭いエリアに観光スポットが密集していて、移動も便利で食べる所にも困らない。旅行で来日する外国人のほぼ100%が訪れるであろう東京ですが、特に初めて来日する人に対して、ちょっとした不安を覚えるところがあります。

2年前、留学時代に仲良くなったスペイン人の友だちが新婚旅行を兼ねて来日しました。広島から京都、そして最後に東京を選んでくれたのですが、初めての土地でしかも長旅とあって、最後はだいぶ疲れたようにも見えました。実際、最終日に奥さんは風邪をひいてホテルの部屋から出て来られませんでした。

そんな彼が言っていたことは「日本は素晴らしい国だけど、東京はとにかくBusy(忙しい)だ」。

自分も確かに人ごみはキライですが、子どものころから東京に慣れ親しんでいるので、満員電車にしても人混みにしても、ある程度耐性があり苦にはなりません。でもよく考えてみると、人の多さに加え超高層ビルは途切れることを知らず、車の騒音、真夜中でも煌々と光るネオン、24時間営業の店…… 客観的に見ることは難しいかもしれませんが、世界が常に「ON(オン)」の状態であることは否めないと思います。この豊かさと便利さに慣れてしまうと、地方や海外での生活に不安を感じて及び腰になってしまうことでしょう。

かつて北海道出身の職場の同僚が、東京に来て最も驚いたのは「町と町の間に境目がない」ことだと言ってました。自然豊かな地域では山を越えて集落があるので、その発想は理解できます。でも言われるまで考えたこともなかった。

「揃わないものはない」「足りないものはない」東京ですが、この無駄に豊かなところに嫌気が差す人ももしかしたらいるのかもしれません。

なかなか外の人の意見を聞く機会もないことかと思います。もし何かの縁で来日した外国人と話をする機会があったら、日本そして東京についての印象を聞いてみてください。良い印象を持ってくれたなら、それはそれでよいですが、困ったこと、残念なところなどの感想は、その国を客観的に知ることができるいい機会になると思います。