猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

愛される日本

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ラグビーW杯で大盛り上がりの日本ですが、昨夜のスコットランド戦に勝利して4連勝! 初の決勝トーナメント進出を決めました。

この試合をイングリッシュパブあたりでライブ観戦しようと新橋まで出かけたのですが、どこも満席で仕方なく韓国系焼肉屋のスクリーンで観ることにしました(笑)。

僕らの横の席には歳の離れた外国の男性ふたり。話しかけてみると、年配の方はかつて教師として日本に住んでいたことがあるイギリス(イングランド)人で、今回のW杯のために息子と来日したとのこと。二人とも日本がトライを決めるたびに大はしゃぎ。ただ一つ気になったのが、イングランド出身ならば同じイギリスのスコットランドを応援しないのかという疑問。思い切って聞いてみると…

「日本は前回大会よりもはるかに良いチームになっている。面白いゲームを見せてくれるし、スタンディング・オベーションが起こる雰囲気もすばらしい。母国を一番に応援するのはもちろんだけど、来日している人たちが次に応援するのは日本だよ!」とのこと。

冷静に考えると両者は「シックス・ネーションズ」でのライバル国同士。そしてBREXIT(ブリグジット)といった政治的な問題もあり、日本人にはわからない両国同士の軋轢があるのだろうと感じました。ただそれよりも、素直に日本代表チームの健闘をたたえてくれる姿勢は本当にうれしかったですし、日本のことを誇りに思える瞬間でした。

試合終了後、フロアにいた全員にハイボールを1杯ずつ奢ってくれました。「ハイボール」はスローインのときに高く宙に舞うボールとかけているのかな? 彼らなりのユーモアなのでしょうか。

素敵な紳士たち。ごちそうさまでした。また、どこかで会いましょう。SEE YOU AGAIN!

 

弁当男子始めました

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最近、職場に手作りの弁当を持って行くようにしています。

元から夕食は自炊することが多かったのですが、弁当とまでなると面倒くさくて… それでもだいぶ安上がりですし、添加物の多い出来上がりの物を食べるよりも飽きが来なくて健康的です。

そんな自宅での調理について、僕はよくマグロの切り身を買うのですが、通常ブロックで買うので、皮がくっついています。以前は皮だけうまく包丁ではがして捨てていたのですが、どうしても皮に身がこびり付くのでずっともったいないと思っていたんですね。

そこで、包丁を使って皮に付いた身の部分を少しずつ削り落とし、みじん切りにした玉ねぎやナスと一緒にトマトソースで炒める。また、生のままでは食べにくい血合いの部分も、ショウガやニンニクで臭いを消してしょうゆで炒めればおいしく食べられます。

写真の弁当からはわかりにくいかもしれませんが、上記「捨てる部位」を生かしたおかずがこの弁当には2品も入っています。いま何かと食品ロスが騒がれていますが、自宅にある食材も、アイデア次第で捨てずにまだまだ食べられる可能性を秘めているんです。こういった身近なところから食べ物を大事にする行動を始めていってほしいと思います。

時代おくれの男になりたい

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1年くらい前の話ですが、主婦の方3名とお話し(というかグループディスカッション)する機会がありました。その中の1人のエピソードで、亡くなった舅が昔堅気の人で洗濯物を洗濯機で洗うことを好まなかったため、極力素手で洗うようにしていたそうです。

その話を聞いたとき、僕は反射的に「いやーマジありえないんですけどー」的なリアクションをしてしまったのですが、今となってはあまりに無知というか軽率なことを言ってしまったと反省しています。

洗濯機に限らず、あらゆる電化製品、文明の利器というものは人の手を省く目的で作られました。便利さゆえその発明品に飛びつく人もいれば、なじまずに人手で済ます人もいます。考えてみたら、僕も家の風呂ではシャワーは使いませんし、食器も手洗い。食洗機はあるけどいまだに使い方がわかりません。

小学校3年生までシャワーのないボロ団地暮らしだったせいか、風呂桶で浴槽からお湯を汲みシャンプーを洗い流すくせが30年経った今でも抜けないんです。きっとその舅さんも、今まで人の手で行っていたものを急に機械に切り替えることに抵抗があったのでしょう。手間暇かけてでも人の手を介すことにどこか美徳を感じていたのかもしれません。

最近電子決済が主流になりつつあり、財布を持たない人も増えているようですが、こないだ行ったスーパーでは、システムのトラブルでカードや電子マネーが使えない状態だったらしく、店員が現金で支払うよう客にお願いしていました。ちなみに僕の前に並んでいたおばちゃんは3万円分くらいドッサリ買っていたので、これでは手持ちがないとキツいよな。

電子決済のみで現金を受け付けない店も存在するみたいですが、究極のアナログでの解決策はやはり残しておくべきかと。飲みのときなども割り勘にしやすいですし… と思っていたら、割り勘をスムーズに解決できるアプリなども登場しているみたいです。でももうこのあたりでついていけない(笑)。

そんなときは「人の懐を見つめ続ける、時代遅れの男になりたい」

(↑ただの奢ってほしいアピール)

猿一匹、巨大権力に立ち向かう

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行ってきました。署名しました。今年4月に東京・池袋で起きた自動車暴走事故。前後して同じような高齢者の運転による事故が起きていますが、なんでこのケースだけ逮捕されないのかまったく理解できません。

照りつける太陽の中、写真からもわかるように多くの人が飯塚に厳罰を与えるよう署名に訪れていました。

何の罪もない親子が死んでるんだぞ。このままでいいはずがない。

東京は誇れる町なのか?

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東京オリンピックパラリンピックまでいよいよ1年を切りました。
インバウンドも相変わらず活気づいており、これからさらに旅行などで来日する人も増えることかと思います。

豊かな自然、歴史的建造物、温泉においしい和食など魅力が盛りだくさんな日本ですが、首都東京はどうでしょうか?  狭いエリアに観光スポットが密集していて、移動も便利で食べる所にも困らない。旅行で来日する外国人のほぼ100%が訪れるであろう東京ですが、特に初めて来日する人に対して、ちょっとした不安を覚えるところがあります。

2年前、留学時代に仲良くなったスペイン人の友だちが新婚旅行を兼ねて来日しました。広島から京都、そして最後に東京を選んでくれたのですが、初めての土地でしかも長旅とあって、最後はだいぶ疲れたようにも見えました。実際、最終日に奥さんは風邪をひいてホテルの部屋から出て来られませんでした。

そんな彼が言っていたことは「日本は素晴らしい国だけど、東京はとにかくBusy(忙しい)だ」。

自分も確かに人ごみはキライですが、子どものころから東京に慣れ親しんでいるので、満員電車にしても人混みにしても、ある程度耐性があり苦にはなりません。でもよく考えてみると、人の多さに加え超高層ビルは途切れることを知らず、車の騒音、真夜中でも煌々と光るネオン、24時間営業の店…… 客観的に見ることは難しいかもしれませんが、世界が常に「ON(オン)」の状態であることは否めないと思います。この豊かさと便利さに慣れてしまうと、地方や海外での生活に不安を感じて及び腰になってしまうことでしょう。

かつて北海道出身の職場の同僚が、東京に来て最も驚いたのは「町と町の間に境目がない」ことだと言ってました。自然豊かな地域では山を越えて集落があるので、その発想は理解できます。でも言われるまで考えたこともなかった。

「揃わないものはない」「足りないものはない」東京ですが、この無駄に豊かなところに嫌気が差す人ももしかしたらいるのかもしれません。

なかなか外の人の意見を聞く機会もないことかと思います。もし何かの縁で来日した外国人と話をする機会があったら、日本そして東京についての印象を聞いてみてください。良い印象を持ってくれたなら、それはそれでよいですが、困ったこと、残念なところなどの感想は、その国を客観的に知ることができるいい機会になると思います。

安易な名前貸しはキケン!?

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ずっと前にスペイン産のにんにくを買ったのですが、すりおろしてみると下水みたいなニオイで「もう二度と買うか!」と思ったことがあります。それでもしばらくして「たまたま不良品が混じっていただけだよな」と言い聞かせて、もう一度試してみることにしました。

結果…

ウン、前よりは幾分マシに感じますが、どうしても水っぽさは拭えない。ハッキリ言いますが、中国産のほうがはるかに質がいいです。

品物を見ると、某有名シェフの「私がオススメします」と書かれたラベルが付いている。本当に品定めをしているのでしょうか? レストランで使っているのでしょうか? 少々値段が張っても国産品が一番良いとは思いますけどね!

シェフに限らず文化人が一躍有名になれば、たくさんの仕事が舞い込んでくることだと思います。本人の知らないところでマネジャーなどが仕事を引き受けて、肖像や名前を使われているケースもあるかもしれません。

いま世間を騒がせている吉本興業の「闇営業」も、仕事の中身や取引相手をよく吟味せずに請け負い、知らずに裏社会の片棒を担いでいたなんてケースがほとんどでしょう。相手からしたら、テレビに出ているそこそこの有名人が宴席に来てくれるだけで箔が付くわけですから。

今から20年前の話ですが、僕の叔父の結婚式になぜか故ポール牧師匠が来ていました。祝辞を述べ指パッチンしたあと、そそくさと会場を後にしましたが(笑)、このような形で芸能人が一般の企業や個人とかかわる例は珍しくなさそうです。

話はにんにくに戻りますが、このラベルを見て「プロが推薦しているんだから良品で間違いない!」と買った人も多いことでしょう。しかし、その品物が悪ければ、広告に使われた人まで悪い評判が立ってしまいます。ビジネスの相手や対象になるものをよく把握したうえで仕事を選ばなければ、後で取り返しのつかない状況になってしまいます。もちろん自分にも言えることで、個人主体で仕事をしている人は、こういったリスクヘッジには人一倍神経を尖らせておかなければなりません。

 

…ていうか、ポール牧は誰が呼んだのだろ??

「死にたい」と言われたら

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先月の登戸の殺傷事件後に、「死ぬなら一人で」論争が巻き起こりましたね。
誰かを巻き込むこと自体論外ですが、毎日のように電車の人身事故のニュースを耳にしていると、自分の命を粗末にするような人は他人の命すらも軽んじてしまうのでしょう。


「もうこれ以上長生きしたくない。早く死んでしまいたい」

高齢者の多くが言うセリフ。こう言われた場合、恐らく周囲にいる9割の人は「そんなこと言わないでください。まだまだ長生きしてください」と答えるでしょう。

その返しは無難であり、やさしさに満ちた回答と言えるかもしれません。

しかし、年齢を重ねて「死にたい」と感じるのは、何十年も生きてきたその人の境地であり、安易に周囲が否定することはできないと思います。

とある老健に勤めるヘルパーは、入居者に「死にたい」と言われたとき、あっけらかんと「じゃあ、死ねば」と返したそうです。仮にボイスレコーダーに言質を取られてSNSとかに流失でもしようものなら大問題になることでしょう。

恐らく「死にたい」と言う高齢者は、誰かがそれを否定してくれることで、自分という存在価値を再確認し安堵を覚えるケースと、本当に死にたいと思っていて、他人がそれに同調してくれることでカタルシスを感じるケースがあるように思います。

「死にたい」という人の本心はその人でなければわからない。安易に同調すれば本当にその人を傷つけてしまうかもしれませんが、否定することも結構無責任だと思います。家族にしても介護士にしても、大多数の人がそういう態度を取っているのではないでしょうか?

「じゃあ、お前がそう言われたらなんて答えるんだ?」と言われたら、……さあ、なんて答えよう(汗)

でも高齢者が何かしらメッセージを発するということは、それを誰かに聞いてもらいたいという欲求があると思います。その場で白黒つける必要は決してなく、話の前後も含めて、まずはその人が何を伝えようとしているのかを知ることが大事なのかなと思います。あなたが信頼されているのなら、どのような回答でもきっとそれが「正しい答え」になると思いますよ。……多分(汗)