猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

祖母と甘栗

先々週末の日曜、祖母が入院したと聞きつけお見舞いに行ってきました。先月、転送した際に腰の骨を折り、それ以来寝たきりの状態が続いていましたが、同時に食事もほとんど摂らなくなり、体調面のダメージもあっての入院となりました。

お見舞いに甘栗、有名な「イシイの甘栗」でも持っていこうと思っていましたが、母から「固い物はダメ」と言われ、結局手ぶらで病院まで行きました。

僕が小さいころ、祖母がウチに遊びに来てくれるたびに、このイシイの甘栗を買ってきてくれたんです。「他の店の甘栗は中身がスカスカでダメ! ここの店のじゃなきゃ美味しくない」など良くわからない持論を展開していた祖母でしたが、僕がこの甘栗を持って行けば、少しは昔のことを思い出してくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていましたが杞憂に終わりました。

ベッドの上の祖母は、年始に会ったときよりさらに痩せて小さく見えました。髪こそきれいにブラッシングされていましたが、ADLが完全に落ちた今、腕なんか本当に棒切れのように細くなっていました。声も小さく聞き取りにくかったのですが、口だけは相変わらず達者で、そこだけは安心したかな。

P.S.

本日母から連絡が入り、退院後の処遇が決まったみたい。まずは老健でみっちりリハビリ。面会時に担当してくれた看護師さんの話によると、90歳を超えても、本人の努力で歩いてトイレに行けるまで回復した人もいるみたいだし、あとは本人のやる気次第。

ただ僕の実家のある千葉県松戸市の特養待機老人はざっと400人だそう。地域包括ケアの充実やベッドに空きのある地方部への転出など、ありとあらゆる策をフル活用しないと解決できない問題なんだと重く心にのしかかりました。