猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

介護はクリエイティブなのか?

前回のブログからだいぶ間隔が空いてしまいました。安心してください、Live-up Workerは鋭意制作中ですよ(←このネタももう古いか)

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メタルはイケてるのか?

さて、トップの写真は鉄鋼連盟が2008年に新卒採用のために制作したポスター。お堅いイメージのある鉄鋼業界ですが、マーティー・フリードマンを起用した大胆な広告には、当時関連業界にいた僕もだいぶビビリました。なお余談ですが結構ギャラが高かったみたいです。それでも翌年以降、彼を起用した続編も作られており波及効果はそれなりにあったということでしょう。

さて、介護の世界でもニュース記事の見出しやキーワードの並びから似たようなフレーズが頭をよぎります。

介護はクリエイティブなのか?

「クリエイティブ(Creative)」とは「創造」を意味する言葉。上記ポスターのように人びとをアッと驚かせるような仕掛けやデザイン、作品を作り出す職業に携わる人ならば、とりあえず「クリエイティブ」な仕事をしているということで間違いないでしょう。

ただ最近、介護業界のネガティブなイメージを払拭する目的で「介護=クリエイティブ」という言葉をやたら用いられているような気もします。雇用側が「介護は〇〇です」というイメージを喧伝するよりは、働く側の自発的な意志によって「クリエイティブ」な付加価値を付けることの方が、この言葉を用いる不自然さが無くなるような気がします。ある施設では北島三郎そっくりにカラオケを歌う職員がいて、とてもお年寄りから喜ばれているようです。こういった個のスキルがあってはじめて「クリエイティブ」と呼べるのではないでしょうか。

新たに「介護福祉士」の上位資格として「認定介護福祉士」という資格が創設されることになりました。厚生労働省は認定介護福祉士に対して、今後進められる地域包括支援、医療分野との連携強化を図れる人材が望ましいとしています。まだスタートしていない資格なので想像の域を出ないのですが、一般企業でいう営業のプレゼン力、マーケティングの情報集積力、広報の応対力などあらゆるスキルが求められるポジションになるような気がします。

決してお年寄りが喜んでくれるような特技が無くても、対外的に色々とアイデアを出したりコミュニケーションを取っていくことも十分に「クリエイティブ」のような気がします。地味なことかもしれませんが、介護の現場を良くしていくための取り組みは十分に魅力的なプロセスだと思います。一芸を磨くか、地道に資格取得を目指すか、そんなことを考えている時間も「クリエイティブ」なひとときなのかもしれませんね。