猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

騙されていても満足ならばそれでいいのかなあ?

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先日、有料老人ホームの利用者家族を対象にしたアンケートを見せてもらう機会があったのですが、その中に以下のようなコメントがありました。

「うちのおばあちゃんはデイサービスに通っていたのですが、そこのケアマネジャーから『いずれ重度の要介護になると思うので、満床になる前に、早いうちに老人ホームへの入居を考えた方がいい』と言われ、デイと同じグループ会社が経営するホームを勧められそこへ入居しました。今はとても楽しそうに生活しています」(要約)

ここまで読んだ皆さんはピンと来たことでしょうが、ケアマネジャーは利用者の健康状態や認知症の有無と症状、そして自宅からの距離などあらゆる側面を考慮した上で、本人そして家族にとって最適と思われる事業者を選別する責務があります。それを「ウチの系列だから」という理由で客の囲い込みをするのはご法度です。もっと言ってしまえば、通所介護で事足りている人をわざわざ施設に入れてしまうのは、地域包括支援の考え方… というより経済面なども含めたあらゆる倫理に反しているような気がします。これが俗に言う「ひも付きケアマネ」の実態なんでしょうね。

ただ、そんな実態も知らないでこのケアマネに感謝している回答者が不憫でならないです。この人も、入居している家族も満足しているのならばそれでいいのか? 在宅介護に限界がある人を前にして、自社へ囲い込みたいという腹心があるのは仕方ないこと。でも「ベッドが無くなる」とウソをついてまで、在宅の人を無理やり入居させるのはさすがに暴挙としか言えない。これも氷山の一角と思うと、本当に業者選びは慎重に行いたいもの。福祉関連で働いている知人などに情報をもらうようするなどして、しっかりと吟味しなければすぐに悪徳業者につかまってしまうような気がします。