猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

第一発見者の憂うつ

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先日、大相撲元小結の板井圭介さんが自宅で死亡しているニュースが報道されました。引退後、相撲協会に残れなくて八百長を告発した人ですね。

板井さんは一人暮らしで、本人と連絡が取れずに不審に思った元付き人が自宅を訪ねたところ、倒れている板井さんを発見したそうです。何でも水道の水が出しっぱなしだったことから急死の可能性が高いのではと言われています。

今年4月に僕の友人の結婚式があり、そこで中学時代の友だちから聞かされた話。中学時代、同学年だったA君。ある日別の友だちがA君の住むアパートを訪れたところ、首を吊って死んでいるA君の姿を発見したのだと。

病気・自殺の違いはあれども、第一発見者のショックは言葉に表すことはできないでしょう。またトラウマになってしまうかもしれません。

介護の世界でも、訪問介護ヘルパーの場合、上記のような第一発見者になる可能性は十分にあります。経験豊富なプロのヘルパーならば、いかなるケースでも「心の準備」はできているかもしれませんが、板井さんやA君のケースでは、当然心の準備などできているはずがありません。

独居高齢者の数が増えている現代、このようなケースが今後も減ることはないでしょう。連日の猛暑で、閉め切った部屋で熱中症になって帰らぬ人となった高齢者のニュースもよく耳にしたことだと思います。

ただせめてもの救いが、その人のことを気にかけてた人がいたということ。音信不通を不審に思い、その人の元へ馳せ参じたという事実。「もう少し発見が早ければ…」と悔やまれるかもしれませんが、自分のことを気にかけてくれた人がいた板井さんやA君は決して孤独なんかではなかったように思います。