猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

新しい時代へ

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元号が「令和」に変わって10日あまり。今回の改元にあたり、天皇制に強く起因することなどから、元号を用いること自体反対する声も聞かれましたね。周囲には「西暦はなじまないから普段から元号を使う」という人もいれば「現自民党政権の思想を汲んでいるから元号は使わず西暦でいく」なんて人もいます。個人的には「そんなつまらない意地なんてはってどーするの?」といった感じですが……

元号を用いることで、時代を「括る(くくる)」ということが可能になります。実は僕の創作活動や嗜好、性格の一部はひとつ前の元号「昭和」で括られた思想や発見が大きなルーツになっていると感じるのです。

その昔、父親が「昭和の名曲全集」みたいなCDセットを通販で購入したのですが、それに付いてくるブックレットがひそかな愛読書でした。

本の内容は、収録曲の歌詞と、昭和元年から64年までの出来事を各年見開き2ページで年表と合わせて掲載するといった内容でした。

自分は昭和55年生まれなので昭和後期の方は記憶にあるのですが、生まれる以前の出来事については、実に多くのことをその本から学びました。言うならば僕にとって一番の「社会科の教科書」だったんですね。

昭和天皇即位から太平洋戦争、戦後の高度経済成長。力道山長嶋茂雄といったスーパースター。『おしん』や『君の名は』(←前前前未来じゃないほう)といった人気テレビ番組。東京オリンピック大阪万博ビートルズ来日。オイルショックバブル経済。そして石原裕次郎美空ひばりという2大スターの相次ぐ逝去で昭和の括りは終わりを迎えます。途中ボディコンのお姉さんやストリップといったちょっとエッチな内容もあって興味が持てたという側面もありますが(笑)、各年ごとに色々な事件や流行、イベントなどが起きて、「括る」にはあまりに雑多で激動的な64年間だったと思います。ただし、どの時期を切り取っても共通していたのは、今を一生懸命生きようとする日本国民の意地や明るさ。そういったものをその本から感じ取れたのです。

バブルの崩壊とともに始まった「平成」。多くの専門家は長引く不況、そして相次ぐ自然災害に翻弄されたことが大きく影を落としていると指摘しています。そのせいか平成はネガティブな印象で括られてしまいがちです。確かに30年間生きた平成という時代は、どこか昭和の人が持っていたタフさが薄らいでしまったように感じます。

それでも心の持ちようで、いかに楽しく仕事をするか、人付き合いをしていくかは改善していけるはず。こういった発想・クリエイティビティはこの先生きていく上で欠かせないものとなるでしょう。

さて、すでに始まった令和。新しい時代はどのような「括り」ができるでしょうか。どのようなハードな時代であっても、常に自分らしさを忘れず元気に生き抜いてやりたいと思います。