猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

無作法

f:id:liveupworker:20210326121152p:plain

普段ほとんどテレビは観ないのですが、先日たまたま『1億3000万人のSHOWチャンネル』(日本テレビ)という番組を観ました。

ゲストの歌手・広瀬香美が、今話題の女子高生シンガーAdoの『うっせえわ』をカバーして、ピアノで弾き語りするという内容だったのですが……

このオバサン、足でピアノ弾いとる! Σ( ̄□ ̄|||)

その昔、梶原一騎原作の『柔道一直線』というドラマの中で、主人公が足で『猫踏んじゃった』を弾くシーンがあったと思うのですが、アレは、まあギャグとして許される範囲でしょう。ただ、プロのミュージシャンが公の前でピアノの上に足を乗せるなんて、あまりに恥ずべき行為で教育上良くない。不快に思ったのは僕だけでなく、番組放送後、案の定ネットで叩かれていました(ただしOA中に、遠巻きに非難していた羽鳥アナは常識人だと思いました)。

僕が仕事で出入りしている豊洲市場でも、関係者が足で魚を扱う場面があり、正直あまりよい気がしません。マグロの場合、軽いサイズでも30キロ前後はあり、魚の表面も濡れて滑りやすいため手で扱うことは難しい。そこでマグロを移動するときに「手鉤(てかぎ)」と呼ばれる棒の先に鎌のような刃が付いた道具を用いるのですが、とっさの場合に、どうしても手鉤を使わず足が出てしまうようです。

マグロは死んでいるとはいえ、つい数日前までそこには命が宿っていた。そしてマグロは大方生のまま人の口に入ることを考えると、倫理面、衛生面ともに意識の欠ける行為だと思います。

気にし過ぎでしょうかね? 実は中学生のとき体育の授業で、転がってきたバスケットボールを足で止めたときに体育教師から怒られたことがあり、それが今でも脳裏をよぎってしまいます。足で物を扱うことは、人を不快にさせる以上に、何か人間として自分自身を貶めている。そんな気がするんですよね。