猿一匹 酔って候

Live-up works(リブアップワークス)主宰・大西のブログ。活動記録や日々思ったことなど綴っていきます。

高知・矢井賀探訪記 その③

前回からの続き

http://liveupworks.hatenablog.jp/entry/2019/04/11/183506

翌朝目が覚め、玄関を出ると雲一つない快晴。冷めきった空気が頬を伝う中、かすかに刺す太陽の暖かな光は、訪れるには早い春をどことなく感じさせてくれるものでした。

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小嶋さんと「おやまどり」の前で記念撮影。左は奥さんが野菜を育てている畑

大人数で宿泊する場合、ゲストは前日に食材を買い込んで自炊するケースが多いみたいですが、一人旅ではそこまでやる気力も湧かず、もう一つ山を越えた志和(しわ)の町へ、小嶋さんと一緒に朝食を食べに行くことになりました。前にも書きましたが、矢井賀にはお店が一軒もないので軽く何か腹に入れたいと思っても、事前に食材を買い込んで作っておくか、わざわざ車で移動する必要があります。

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食後は矢井賀の漁港や海岸を探索。月曜の朝ですが、働く人の姿はほとんど見かけず、休日と変わらないのどかな時間が流れます。その後、井川さんと合流し、おやまどりから少し離れた場所にある矢井賀小学校を案内してもらうことに。

小学校と言ってもすでに休校となってから10年が経過しており、現在はワークショップや絵画教室など地元住民が集うコミュニティスペースとして開放されています。当時の卒業生たちの思いが詰まった黒板アートなどを見ると胸が詰まります。小嶋さんの子どもたちも皆この学校の卒業生。前日、小嶋さんから見せてもらったアルバムには30年以上前の村の催事や運動会の写真もあり、皆さんの楽しそうな表情を見ると、時の移ろいはなんとも残酷なものだと感じてしまいます。

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築年がそれほど古くなく普段の人の出入りもあるので、建物はきちんと管理されている様子がうかがえた

残念ながら、この小学校を緊急時のヘリポートとして再開発する計画が浮上しており、その場合、学校は取り壊されてしまう可能性が高いようです。現町長は開発に積極的で、議員の中には開発反対派がいるものの次の選挙で再選となれば、近い将来ヘリポートは実現するものと見られます。

前日の「おきゃく」のとき、集まった人たちはヘリポート建設の賛否を口火に、この町をどうしたいのか、どうすることが矢井賀にとって、そして自分たちにとって最良の選択となるのか議論になりました。よそ者の僕は安易に会話に加わることはできませんでした。

とても小さいコミュニティかもしれませんが、若い人も年配者も膝を突き合わせ政治について語る。たった一つの決定や変化だって、この小さな町に住む人の生活を激変させてしまうものになり得ます。こういった真剣さは都心に住む人には欠けているのではないでしょうか?

その後、小嶋さん夫妻に別れを告げ、井川さんの車に乗り込み高知駅まで送っていただくことに。

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久礼大正町市場の入口。高知原産米は独特の蒸れたような香りがあるので苦手な人も多いかも

途中、土佐久礼駅近くの「久礼大正町市場」で昼食。定食屋があるのですが、店頭で売っている刺身を持ち込み500円を支払えばごはん、味噌汁、漬物を付けてくれるスタイル。なんとこれだけ頼んで2人で2000円!

初回で触れたとおり、旅のスタイルは多様化しています。恐らくガイドブックに載っている情報だけでは矢井賀のような場所を知ることも、そして実際に訪れることもなかったと思います。自ら知り得た情報をもとに行動に移す。またそこで出会った人とのつながりによって、旅というものは無限にデザインしていくことが可能になるのではないでしょうか。

なんか『ソロモン流』の船越英一郎みたいなセリフになってしまいましたが、これで今回の旅の締めとさせていただきたいと思います。末筆になりますが、今回の旅でお世話になった方々に改めて御礼申し上げます。

おわり

久礼大正町市場
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