猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

失われた季節の匂い

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晴れた朝、洗濯物を干しにベランダに出ました。もちろん自宅なのでマスクを付けなかったのですが、いざノーマスクで外に出てみると色々な匂いが鼻孔を駆け抜けていきます。今まで当たり前過ぎて気付かなかっただけなんだろうけど、マスクなしだと「匂い」が実にさまざまな情報をインプットしているんだと実感。

さいころ、なんでも匂いをかぐ癖があった僕を、両親は「行儀が悪い」と叱りました。今夏真っ盛りですが、強い日差し、流れる汗、セミの鳴き声、ビルやコンクリートからの輻射熱といった情報以外にも“匂い”から得られる夏の特徴ってあると思うんです。それがコロナのせいで、マスクのせいで失われてしまうのは実にもったいないこと。特に多感な子どもにとって、五感のうち嗅覚というインプットが断たれてしまうのは、後々の情操教育に影響を及ぼさないか心配になります。

久々に夏の匂いを嗅いだ今日、止まっていた時計の針が少し進んだ。
そんなことを感じた8月某日でした。