猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

福利厚生について ~フェラーリから竹トンボまで

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豊洲市場に出入りしている業者のトラックの後部に、こんなステッカーが貼られています。

「業界最大の福利厚生 フェラーリにいつでも乗れる」
https://www.kaetsu01.com/

これは千葉県千葉市美浜区に本社を置く「株式会社加悦」という運送業者で、フェラーリのほか会社が保有する高級車、クルーザーなどを好きな時に乗れるという特典を用意。ほかにも、食事食べ放題や保養所の無料利用など実にバブリーな福利厚生が目白押しです。

でも「福利厚生」って、こんな華々しいものばかりではないのが現実。今から10年ほど前、「Benefit One」(トップ写真)の編集と進行管理の仕事をやっていました。

ベネフィット・ワン(以下ベネワン)は、いわば福利厚生のカタログで、レジャー、映画、飲食、ホテル、フィットネス、美容、スポーツ施設などさまざまな業者と提携し、
ベネワンの会員は各サービスを特別価格で利用できる特典があります。不景気から、大手企業各社は保養所などを売却してコストカットを図ってきた時代背景があります。そのため、ベネワンのような“アウトソーシング”型の福利厚生は、当初かなり画期的だったのではないでしょうか。

冊子に目を通してみると、今ではデザインも編集も非常に読みやすい工夫がされています。ところが、僕が携わっていたころは、全国各地の事業者とひたすら契約を結び、ひたすらサービス(福利厚生)を羅列するだけの、まさに辞典のような印刷物でした。当然、競合各社が狭い紙幅に並べられるため、読者としてはサービスを比較検討しにくいもので、事業者としてもライバルに客を持っていかれる可能性が高くなるため、正直、ビジネスモデルとしての体を成していなかったと思います。

福利厚生の内容も、目を当てられないほどショボいものが多く、例えば、遊園地の入場料もたったの「100円引き」とかそんなレベルのものばかりでした。個人的に一番印象に残っている、というか一番ひどいのは

 

「(来場者全員に)竹トンボプレゼント」

 

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「福利厚生って何かね?」

 

今の世の中、インターネット申込みによる料金の割引や、利用回数に応じたポイント(マイル)システムの導入などで、ベネワンに加入せずとも、さまざまな特典が受けられる時代です。ベネワンも、この10年である程度の取捨選択をしてきたことでしょうが、営業もしっかりと事業者側と交渉して、利用者の興味を惹く納得の福利厚生を用意しなければ、この先、生き残っていけないでしょう。何より事業者側から愛想を尽かされてはおしまいですからね。

でも、事業者側にも改善しなければいけない所ってあると思うんです。

 

……

 

竹トンボって、客舐めすぎだろ