猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

ブームで終わらせないために

2013年のLive-up Worker創設以来、順調に取材を展開して特集記事を組んできましたが、取材を断られたことが過去に一度だけありました。

都内にある某大学のボランティア活動を取り上げようと思ってコンタクトを取ったのですが、「担当教授が多忙で応対できない」という理由で断られました。

もともとこの大学の近隣にある、空洞化が進むマンモス団地の空室を有効利用しようという運動が発端となったもので、それが発展し、団地内に住む高齢者の安否確認やイベント開催などによる交流、そして地域活性化につなげようという取り組みだったような気がします。

連絡の窓口だった、女子学生だか教授のはしくれだかわからないようなおねーちゃんは非常に愛想も悪く、正直僕の中でこの大学のイメージは相当悪くなりました。いや愛想が悪いというよりは、あまりに覇気がないというか…

しかしよくよく調べてみると、この団体のHPらしきものはここ2年ほど更新されておらず、さらには地元の新聞社とのトラブルも発覚しました(まあこういった経緯があるのでリブアップワークスもちょっと怪しまれたのかもしれないね)。結論としてこの活動は、僕が取材申し込みをした時点ですでに衰退しきって外部に紹介できるような状況でなかったのだと想像します。

かつて別の大学の教授に取材したときのことですが、その教授いわく学生ボランティアには「ブーム」があって、学生はその時のブームに便乗してサークル活動にのめり込むそうです。例えば「ごみ拾いなど環境美化」→「高齢者との交流(社会福祉)」→「大震災後の被災地復興支援」といった具合でしょうか。

もちろん人間体一つですから、いくつもボランティアをかけ持つなんてことは至難の業です。ただし何か一つでもいいので「継続」して取り組むことが大事なのではないかと思います。また在学中は一生懸命取り組んでいても、卒業し就職すれば仕事第一優先になるのは当たり前。そんな厳しい状況の中でボランティアを初志貫徹で頑張っている人ってどれほどいるのでしょうか?

大学側もサークル活動の一環で展開するのではなく、活動の楽しさややりがいはもちろん、自分たちの行いが社会にどのような影響を及ぼすのか、どう世の中を変えていけるのか、などまで踏み込んで、学生たちをリードしていくことが求められるのではないかと思います。

活動が途切れて一番がっくりくるのは団地に住む高齢者の方たちなのではないかと思いますよ。

 

 

国産? 外国産?

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今日のお昼はコンビニで買った納豆巻き。

ラベルに目をやると「国産大豆」の文字が…

最近「国産大豆使用」と謳っている商品をよく目にするような気がします。ご存知の方も多いとは思いますが、日本の大豆や小麦粉のほとんどはオーストラリアなどからの輸入品です。でもなぜ国産品を頻繁に見かけるようになったのでしょうか?

月刊「農業経営者」副編集長、浅川芳裕さんの著書『日本は世界5位の農業大国』によると、大豆や小麦粉など自給率の低い作物を作れば「転作報奨金」という補助金が支給されるため、補助金目当てでこれらを作る農家が増えているとこと。

しかし浅川さんは、国産の大豆や小麦粉は、品質が外国産より著しく劣ると指摘しています。確かにこの納豆巻きも食べたところで「やっぱ国産だから旨いよな~」とはなりませんでした。

このような農家で作られた大豆や小麦を使った商品は「国産」とラべリングされ、そのブランド力を武器に消費者に喜ばれているのでしょう。確かに僕自身も外国産の食品よりも国産の方が安心な印象を受けますし、ほぼ同等の価格で売られていたら間違いなく国産品を選ぶと思います。でも裏にはこうした国や農協の思惑があることを頭の片隅に置いといたほうがいいかもしれません。

あ、ついでに言うと、コンビニやファミレスなどで使われている米には、外国産(アメリカ・中国・オーストラリアなど)のものが大量に流通しているんだと。せっかく大豆が国産なのに肝心のコメが外国産じゃ元も子もありゃしねぇと思いませんか?

祖母と甘栗

先々週末の日曜、祖母が入院したと聞きつけお見舞いに行ってきました。先月、転送した際に腰の骨を折り、それ以来寝たきりの状態が続いていましたが、同時に食事もほとんど摂らなくなり、体調面のダメージもあっての入院となりました。

お見舞いに甘栗、有名な「イシイの甘栗」でも持っていこうと思っていましたが、母から「固い物はダメ」と言われ、結局手ぶらで病院まで行きました。

僕が小さいころ、祖母がウチに遊びに来てくれるたびに、このイシイの甘栗を買ってきてくれたんです。「他の店の甘栗は中身がスカスカでダメ! ここの店のじゃなきゃ美味しくない」など良くわからない持論を展開していた祖母でしたが、僕がこの甘栗を持って行けば、少しは昔のことを思い出してくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていましたが杞憂に終わりました。

ベッドの上の祖母は、年始に会ったときよりさらに痩せて小さく見えました。髪こそきれいにブラッシングされていましたが、ADLが完全に落ちた今、腕なんか本当に棒切れのように細くなっていました。声も小さく聞き取りにくかったのですが、口だけは相変わらず達者で、そこだけは安心したかな。

P.S.

本日母から連絡が入り、退院後の処遇が決まったみたい。まずは老健でみっちりリハビリ。面会時に担当してくれた看護師さんの話によると、90歳を超えても、本人の努力で歩いてトイレに行けるまで回復した人もいるみたいだし、あとは本人のやる気次第。

ただ僕の実家のある千葉県松戸市の特養待機老人はざっと400人だそう。地域包括ケアの充実やベッドに空きのある地方部への転出など、ありとあらゆる策をフル活用しないと解決できない問題なんだと重く心にのしかかりました。

喪失

先々月、肺がんのため亡くなられたタレントの愛川欽也さん。あまりに急だったのか、妻で同じくタレントのうつみ宮土理さんは憔悴のあまり自身のラジオ番組を降板してしまったとのことです。

よく女の人は亭主が亡くなると元気になると言われています。

今まで一家の大黒柱のために滅私で尽くしてきたものが急になくなり、これまでと打って変わって持てる時間をほぼ自分のために費やせる。この解放感が元気になれる秘訣なのでしょう。不謹慎に思われるかもしれませんが、ショックで塞ぎ込んでしまうよりははるかにいいことだと思います(ウチのオカンも言ってたから間違いない、ウン)。

ところが愛川夫妻の場合は、うつみさんが完全に塞ぎ込んでしまっている。TVの会見を見ていても、本当に故人のことを愛していたんだなと思いました。

一般の夫婦と違うのは、お互い芸能人でお互いそれぞれ大事な仕事を抱えていたこと。芸能人の結婚→あっという間の離婚の実例は枚挙にいとまがないですが、多忙かつ強い個性が無ければ生き残れない芸能界を考えれば、長く夫婦生活を続けることの方が奇跡に近いんじゃないかとも思ってしまいます。強い個性でぶつかり、交じり合いながらも円満な夫婦生活を続けてこられた背景は、決して第三者にわかるものではないでしょう。

簡単に「立ち直れ」とは言えませんが、少しでも心労を軽減して一日も早く元気な姿をお茶の間に見せてくれればと願います。

喪失

先々月、肺がんのため亡くなられたタレントの愛川欽也さん。あまりに急だったのか、妻で同じくタレントのうつみ宮土理さんは憔悴のあまり自身のラジオ番組を降板してしまったとのことです。

よく女の人は亭主が亡くなると元気になると言われています。

今まで一家の大黒柱のために滅私で尽くしてきたものが急になくなり、これまでと打って変わって持てる時間をほぼ自分のために費やせる。この解放感が元気になれる秘訣なのでしょう。不謹慎に思われるかもしれませんが、ショックで塞ぎ込んでしまうよりははるかにいいことだと思います(ウチのオカンも言ってたから間違いない、ウン)。

ところが愛川夫妻の場合は、うつみさんが完全に塞ぎ込んでしまっている。TVの会見を見ていても、本当に故人のことを愛していたんだなと思いました。

一般の夫婦と違うのは、お互い芸能人でお互いそれぞれ大事な仕事を抱えていたこと。芸能人の結婚→あっという間の離婚の実例は枚挙にいとまがないですが、多忙かつ強い個性が無ければ生き残れない芸能界を考えれば、長く夫婦生活を続けることの方が奇跡に近いんじゃないかとも思ってしまいます。強い個性でぶつかり、交じり合いながらも円満な夫婦生活を続けてこられた背景は、決して第三者にわかるものではないでしょう。

簡単に「立ち直れ」とは言えませんが、少しでも心労を軽減して一日も早く元気な姿をお茶の間に見せてくれればと願います。

後継者選び

「俺はあと数年できっぱり(会社を)辞める」

僕が6年ほど前に勤務していた広告代理店の社長の言葉。しかし久々に会社のHPを見てみると、いまだに代表取締役のところに名前が載っています。

実際もう70歳近く。なんだ結局会社に居座っているんじゃないかと一瞬思ってしまいそうですが、実際は違う。安心して会社を任せられる後継者がいない。それだけのことだと思いました。

話は変わって、ソフトバンク孫正義社長が、インド国籍で元GOOGLEナンバー2のアローラ氏を副社長に就任させることを同社株主総会で発表しました。また将来自分の後任に据えるつまり次期社長であることも打ちあけたとのことです。

従来の日本企業では、副社長など取締役の中から次期社長をプロモートさせるのが慣習となっていました。つまり今回は孫社長の御眼鏡にかなう後継者が社内に居なかったということになります。現経営陣の中には、今回の決定を面白く思わない人もいるでしょうね。でもこれだけの短期間でモンスター企業に成長した会社ですから、相応の手腕を持った人物でなければ会社を任せられない。成長・変化が目まぐるしいIT業界ですから、アローラ氏が会社をどう先導していくのか不透明な部分は多いとは思いますが、孫社長の英断は指示されるべきでしょう。

こうやって他企業から経営ポストの人間がやってくるというのは、徐々に日本企業におおいてもスタンダードなものになってきています。日本の大企業、また大企業とまでは言わないが少しは名の知れている企業が、これまで何の縁もなかった福祉や介護といった分野に参入してくるようになってきた現在、親会社の出世レースから弾き出された人間が、流刑地のごとく福祉・介護系子会社の役員に就任することも起きてくるでしょう。

ソフトバンクほど慎重になる必要はないかもしれませんが、きちんとしたビジョンと知識を持った人間を選ばなければ、現場のスタッフからの信頼が失われ、大きなモチベーション低下につながります。どの業界においても後継者選びは難しい選択ですが、人選を誤れば船は大きく傾きやがて沈んでしまうことでしょう。

 

 

 

新宿駆込み餃子

昨年の4月号、春のスペシャルインタビュー

http://liveupworks.com/f-article8.html

にご登場いただいた公益社団法人日本駆け込み寺代表の玄秀盛さん。

インタビューの最後でも語っていたように、刑期を終えた出所者や生活困窮者に雇用の機会を提供する「(一社)再チャレンジ支援機構」の活動第一弾として、その名も「新宿駆込み餃子」なる店が4月末にオープンしました。

www.kakekomi-gyoza.com

「居酒屋なんかやったらおもろいやんか~」とおっしゃっていたのが、今こういう形で花開いたんですね。

僕は餃子が大好物。ニンニクとニラを一切使っていないというのが引っかかりますが、逆にどういう味なのか気になる! 「食べログ」などを見てても評判良さそう。今度ぜひお店に足を運んでみたいと思います!