猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

Coldplay 日本公演行ってきたよ


11月7日に東京ドームで開催されたColdplay(コールドプレイ)のコンサートに行ってきました。

職場の同僚が奥さんと一緒に行く予定だったのですが、都合が悪くなったみたいで僕が代わりに1枚分チケットを買い取りました。オープニングアクトの「YOASOBI」も観てみたかったので、ちょうどよい機会となりました。

イギリスに留学経験のある僕ですが、音楽に関しては正直UK(イギリス)よりUS(アメリカ)の方が好みなんです。言葉にするのは野暮だとは承知していますが、単純にパフォーマンスも含めた音のダイナミズムや、楽曲のわかりやすさなどが好み。でも今回の公演で、UKロックの真髄(←この表現も野暮ったいけど…)みたいなものに触れた気がしました。

日本のあるロックスターが「コンサートとは、何か思いを持って歌っている人間に会いに行く場」と表現したことがあります。基本歌い手は、自分の経験や心に秘めた感情を声にぶつけるものです。その精神は非常に尊いものですが、改めてColdplayの楽曲を聴いてみると、ボーカルのクリス・マーティン自分の主張を歌にするというよりは、自分(たち)が置かれている環境を客観的かつ俯瞰的に見て、表現に落とし込んでいるなと感じました。

例えば、彼らが提唱した「Everyone is an alien somewhere」(みんなはどこかの宇宙人なんだ)という言葉。Alien(エイリアン)は宇宙人という意味のほか「部外者」「よそ者」という意味もあります。つまり「自分」に軸足を置く限り、常に自分は主人公でいられますが、自分(たち)が置かれた環境から見れば、多くの人間が同じ場を共有しているに過ぎません。こういった考えが彼らのベースにあるので、おのずと謙虚に、利他的にふるまえるのだと思います。彼らの先輩にあたるビートルズU2なども、こういったメッセージ性を打ち出している楽曲が多くあり、これがUSにはない、UKロックの特徴の一つだと思います。

公演中、観客が掲げたメッセージが書かれたボードをクリスが読み上げる場面もありました。その中の、親子ペアで来ていた観客をステージに上げるファンサービスもありました。アンコールでは、後方の観客席近くに設けられた小さなスペースで演奏するなど、観客一人ひとりになるべく近くで見せてあげようという心遣いも感じられました。

 

 

アンコールのMCでクリスは、イスラエル問題をはじめ世界各国で起きている戦争や自然災害に心を痛めていると言っていました。こんな彼らが説く「Love(愛)」や「Peace(平和)」を体感できるステージは、とても心に刺さるものでした。