猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

10年

東日本大震災から早10年。

地震発生当時、僕は都内・新宿御苑近くにある出版社にいました。あまりの揺れにビルの外に退避しましたが、同じようにオフィスビルの中から次々と人が逃げ出してきたのを思い出します。

その後電車も動かず、アルバイトでいた大学生の子と歌舞伎町にあるゲームセンターでひたすら時間をつぶしました。その後、地下鉄大江戸線が22時ごろ運転再開するという情報を聞きつけ、乗車するために長蛇の列に並びました。電車に乗るためだけに3時間半も並んで待ったのは生まれて初めて。当時住んでいた、練馬区にある終点の駅まで電車に乗り、自宅に着いたときは夜中の2時になっていました。

嫁は展示会の仕事で千葉にある大型イベント会場に居ましたが、やはり電車が動かず、急きょ会社が手配したホテルの1室で10人近い社員と一夜を過ごしたようです。

あれから10年。被害に遭った町はだいぶ復興してきましたが、行方不明者の多さを考えると、決して消えない傷はいまも色濃く残ったままです。

人間は自然を好き勝手に傷つけ、破壊してきました。それに対し、自然は一切不平を言わなければ、抗うこともありません。そんな自然が、この3月11日に、突然堰を切ったかのように怒りを爆発させ人間に牙を向けた。そんな気がします。今後人間は自然とどう付き合っていくか真剣に考えなくてはいけませんね。結局私たちは自然という環境の中で生かされているに過ぎないという事実。

自宅まで連れてきたアルバイトの大学生は結婚して、もう子どもがいると風の便りで聞きました。時が経つのは本当に早いです。