猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

高校生のときバイトしていたガソリンスタンドの話

なーんとなくですが、高校生のときにやっていたアルバイトの話でもしようかと思います。(トップ画像はあくまでイメージで本文とは一切関係がございません)

高校生のころ、家の近所のガソリンスタンド(以下、GS)で約2年間ほどアルバイトをしていました。この会社はすでに廃業してかれこれ10年は経ちます。いい加減もう時効だと思うので、その店で起きた信じられないエピソードでも紹介していこうと思います。

無資格どころか無免許の高校生バイトに車の点検をさせる

このGSは各自にノルマがあって、それは社員だけでなくアルバイトにも同様に課せられていました。実はGSは、ガソリンだけを売っていても大きな利益にはならず、車検代行、エンジン周りの点検、タイヤやバッテリーの販売・交換といった作業を積極的に行って潤うのです。このようなガソリン販売以外での利益を「油外(ゆがい)」と呼んでいました。

このため、お客さんに対して積極的に「ボンネット内の点検いかがですか?」と声をかけるのが日常でした。通常、点検は自動車整備士が行うものですが、この店は平気で運転免許すら持っていない高校生にやらせていました。

ツケ払いをいいことに、無許可での交換、補充が横行

このGSは工業地帯にあったため、客の多くはトラックや営業車といった業務用の車で来る人ばかりでした。これら法人の顧客は、ガソリンを入れた際に逐次料金を支払うことはなく、後で店が一括請求する形を取っていました。

これをいいことに当時の店長は、客が店内で一服している際に、水抜き剤やラジエーター液の補充、ひどいときにはエンジンオイルの交換まで勝手にやる始末。客が戻ってきたときに「汚れていたので交換しときました~」と事後で断りを入れる光景を、僕は何度か目にしました。客も結局は自分のサイフから料金を払うわけではないので、そこまでうるさくは言わなかったみたいです。

エンジンオイルを交換せず、料金だけ請求

しかしある日事件は起きました。僕と同期で入ったアルバイトが、いつもの調子でボンネットを開けてもらいエンジンオイルの状態をチェックした結果、だいぶ汚れていたのでお客さんにその事を伝えたところ、「あれ、だって1週間前にここで交換してもらったばかりだよ!」と言われてしまいました。

慌てて店長が飛んできて、「すいません、コイツ(アルバイトの事)まだ慣れていないでの、オイルは大丈夫です」と言い、その場を収めたようです。実はオイル交換したのはまるっきりウソで、料金だけ請求して、交換日時のステッカーに交換日の日付だけ上書きをしていたのです。客が帰ったあと、バイトに「ちゃんと中(エンジン)見る前に、ステッカー確認しなきゃダメだろ!」なんて説教垂れていました。

 

当然、こんな悪事が長く続くはずなく、客が一人また一人離れていき、今から10年ほど前に廃業。僕が入った当時4店舗あった拠点も、最後は2店舗にまで減っていました。

昨今の自動車業界のニュースを耳にするたび、信じられない悪事が横行している現実を目の前に、怒りを覚えるのは無理ありません。それでもこんな経験をしてきた以上、デジャヴというか対して驚かない自分がいたりします。