猿一匹 酔って候

Live-up Works(リブアップ・ワークス)主宰、大西啓介のブログ。2012年からフリーライターとして活躍。企業のPR媒体から、ごみ、リサイクル問題、老人福祉などの分野をメインに取材・執筆活動を行う。現在は東京都豊洲市場に出入りして水産分野でも活動中。

居酒屋

最近家に居づらいと感じることが多くなりました。年齢的なものなのかな…?

そんなこんなで、都内をぶらっとしながら、居酒屋などで軽く食事をして帰宅するというルーティンができつつあります。

そんな中、読んだ一冊『超・居酒屋入門』(太田和彦新潮文庫)。
https://www.shinchosha.co.jp/book/133334/

 

酒好きの著者が、おすすめの居酒屋の紹介にはじまり、好きな酒と肴、店内での振る舞いといった作法的なことを綴ったエッセイです。たいていこういう本は、独断と偏見に満ちた、説教臭い内容になりがちですが、それでも本格的に一人飲みを始めた僕にとって、モチベーションを上げるにはぴったりな内容でした。

筆者は、いわゆる「赤ちょうちん」の居酒屋好きで、文中に都内のオススメ店をいくつか挙げています。

この文庫本が発行されたのは2003年(平成15年)。書かれたのはそこから遡ること5年前の1998年なので、今から25年前の情報になります。全店制覇したいと淡い期待を抱いたのですが、さすがにもう何店舗かは潰れているだろう…  そう思って検索したところ、なんと全店舗が営業中!!中には代替わりした店もあるようですが、 コロナ禍を乗り越え、しっかりと営業を続けていることに不覚にも感動を覚えました!

酒や料理のクオリティ、値段など魅力はいくつもあるのでしょうが、口コミサイトを見る限り、やはり長い歴史により醸し出された、‟居心地よい空間”をお客さんに提供できているのが、商売繁盛の最大の秘訣なのではないでしょうか。「2年続けば良い方」と言われる昨今の飲食業界。これは昨日今日オープンした店には決してできないものです。

この本を読んだ後、森下(江東区)の「山利喜」に早速お邪魔しました。10年ほど前になりますが、秋葉原の「赤津加」にも行きました。山利喜は開店20分前に行ったところ、すでに15人くらいの人が列を作って待っていました。メニューは、チェーン店系の居酒屋と比べてはるかに少ないのですが、料理の質は最高。看板メニューである牛モツを使った「煮込み」は、間違いなく過去に食べた店の中でもナンバーワンですね。

人気店だけに、気軽にフラっと立ち寄れる感じではなくなってしまったでしょうが、皆さんの町にも隠れた名店はあるはず。別に赤ちょうちんでなくとも、ワインバルや町中華だってよい。そんなステキな飲み屋を見つけてみませんか?